【会計のきほん⑤】貸借対照表の「負債」と「純資産」の関係

会計を学びたいスモールビジネスオーナー向けに、財務諸表の基本をお話ししています。

今回は、貸借対照表の右側の「負債」と「純資産」に着目します。さらに、負債と純資産を使った財務分析についてもご紹介していきたいと思います。

目次

負債と純資産の関係

こちらの記事で、貸借対照表の左右の意味をファイナンス視点で解説しました。

ここであらためておさらいしておきましょう。

貸借対照表の右側は、企業の資金調達の方法を示していて、「負債」と「純資産」で構成されています。
そして、負債は銀行からの借り入れなどの返済が必要な資金純資産は株主からの出資などの返済が不要な資金という違いがありました。

企業にとっては、返済しないといけない資金(負債)よりも、返済不要な資金(純資産)で事業資産を賄うほうが安全な事業運営といえます。
例えば、銀行借入だと、仮に利益がでていなくても利息を支払わなくてはならないので、負担が重くなります。
一方、株主からの出資は返済不要な上に、利益が出たときだけ配当によって株主に還元すればよいので、負担が軽いといえます。

つまり、負債と純資産の割合を見れば、その会社の安全性を評価することができるわけです。
ちなみに、ここでの安全性とは、債務の返済能力があるかという意味になります。

負債と純資産を使った安全性分析「自己資本比率」

それでは実際に、負債と純資産を使った安全性分析を見ていきましょう。

安全性分析にはいろんな指標があるのですが、ここでは「自己資本比率」をご紹介します。この言葉自体は聞いたことある方も多いのではないでしょうか。

自己資本比率は次の式で計算します。

自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 × 100

総資本は、「負債+自己資本」です。つまり、自己資本比率は総資本に占める自己資本の割合になります。

例えば、負債が150万円、自己資本が100万円の場合、自己資本比率は、100万円÷(150万円+100万円)×100=40%です。

この指標でわかることは、安全な自己資本で資金を賄えているかどうかです。
自己資本が多いほど返済不要の資金を元手に事業を行っていることから、自己資本比率が高いほど財務的に安定しているといえます。

一般的には、自己資本比率は40%以上が望ましいとされています。

ただし、収益性の面ではより小さな資本で大きな利益を上げることが必要なので、必ずしも自己資本比率が多いいほど良いとは限らず、バランスが大事になる点もポイントです。

まとめ

今回は貸借対照表の右側、負債と純資産の関係についてお話しました。

・負債は返済が必要な資金、純資産(自己資本)は返済不要な資金
・返済不要な自己資本が多いほうが財務安定性が高い
・自己資本比率は40%以上が目安

B/Sを使った安全性分析についてはほかにも様々な指標があるので、次回ご紹介したいと思います。

それではまた。

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