「財務会計」と「管理会計」はどう違う?会計の目的がポイント

「財務会計」「管理会計」という言葉は聞いたことありますか?

少しでも経理に関わった方なら知っている単語だと思いますが、会計が初めての方にとっては聞きなれない言葉かもしれません。

また、「財務会計」はイメージできても「管理会計」の位置づけが良くわからないという方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、「財務会計」と「管理会計」の違いを解説していきたいと思います。

ポイントはそれぞれの会計の「目的」が違うという点です。

目次

財務会計」とは?

まずは「財務会計」です。一言でシンプルに言うとこちら。

「財務会計」とは・・・

企業の外部向けに、会社の財務状況を報告するための会計

ここで、「企業の外部」とは、株主、投資家、金融機関、税務署、取引先など、その会社に関連する外部の人たちです。

そして、企業の外部の人たちが会社の財務状況を知るために、財務諸表を作る必要があります。

「財務諸表」はいわゆる決算書のことですが、基本的には次の3つから構成されています。

①貸借対照表(Balance Sheet, B/S)

会社の「財政状況」を示すもの

②損益計算書(Profit and Loss Statement, P/L)

会社の「経営成績」を示すもの

③キャッシュフロー計算書(Cash-flow Statement, P/L)

会社の現金の流れを示すもの

そして、大事なポイントですが、これらの財務諸表は統一された作成ルールがあります。

これを「会計基準」といいますが、すべての会社は一定のルールに基づいて財務諸表を作らなければいけません。

理由は、「企業間の財務状況の比較」ができるようにするためです。

財務諸表の利用者は「企業の外部」の人たちなので、「他の会社と比べてこの会社の業績はどうなんだろう?」といった視点で見てきます。

ところが、それぞれの会社が独自のルールで決算書を作っていたら、会社間の比較ができませんよね。

他社との比較できる財務諸表を作ることが、財務会計の大事なポイントです。

「管理会計」とは?

次に「管理会計」を見ていきましょう。一言で言うとこちら。

「管理会計」とは・・・

企業の内部向けに、会社の経営管理に役立てるための会計

ここで、「企業の内部」とは、経営者や経営企画室、予算や原価管理者などです。

そして、これらの社内の人たちが、企業の状況把握や、事業計画、投資判断などをするために、情報を提供する必要があります。その情報が「管理会計」です。

管理会計は、「原価計算」、意思決定の情報となる「財務分析」「予算管理」「原価管理」などがあって、中でも財務分析は経営者にとって大事な情報になります。

「管理会計」が財務会計と大きく違うポイントは、社内向けの情報なので、会社ごとに自由なルールを作ってOKという点です。

管理会計では、経営改善や業務改善のために必要となる分析資料を提供することが大事になってきます。

例えば製造業とECビジネスでは業種が全く違うので、当然経営者が見たい指標も違いますよね。その会社に必要な分析情報であれば、独自のルールで作って全くOKということになります。

逆に、どれだけ会社にとって有用な情報分析ができるかという点が、その企業の腕の見せ所でもあり、成長のためのポイントにもなってきます。

まとめ

「財務会計」と「管理会計」の違いはとてもシンプルです。

財務会計管理会計
目的企業の財政状況を報告するため企業の経営管理に役立てるため
利用者社外
ex) 株主、投資家、金融機関、税務署、取引先, etc
社内
ex) 経営者や経営企画室、予算管理、原価管理者, etc
作成ルールどの会社も同じルールで作成自由に作ってOK!
財務会計と管理会計の違い

それではまた次回。

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